頭痛
あなたの頭痛、我慢しないでお気軽にご相談ください
頭痛は強さが弱いものから強いものまで誰にでも経験のある症状だと思います。強い頭痛はもちろんですが、弱い頭痛だとしても回数が多ければ日常生活に何らかの支障をきたすことがあるのではないでしょうか。

これまでにそんなに頭痛の経験がないのに突然強い頭痛が起こったら、二次性頭痛(他の原因により起きる頭痛)のことがあり、中には緊急に治療が必要なこともあります。
また、以前から同じような頭痛を繰り返す場合は一次性頭痛かもしれません。
どちらにせよ、診断をつけるためには画像検査は欠かせません。

以下に、頭痛について少し詳しく説明します。
頭痛について

一次性頭痛

一次性頭痛とは頭痛を起こす他の原因がない頭痛で、命に関わることは通常ありません。
以下の3つが一次性頭痛の代表で、上から頻度が高い順になります。

・緊張型頭痛
・片頭痛
・群発頭痛

緊張型頭痛

頭が締め付けられるような重苦しい痛みのことが多く、だいたい数日続きます。首や肩の筋肉の緊張が原因となっています。最も多い頭痛で、経験された方も多いのではないでしょうか。
特徴
金属の輪で締め付けられた感じ
何となく重苦しい
首や肩にコリを感じる
頭全体がズキズキする
首を回すとめまいが起こることがある
痛みの原因となっている筋肉を押すと痛む
運動不足、悪い姿勢(デスクワークなどの長時間の同じ姿勢)、強いストレスや不安などの心理的要因がある

片頭痛

頭の左右どちらか、あるいは両側に比較的強い頭痛が起こり,数時間から数日間続きます。頭痛が起こる前あるいは同時に視界にキラキラとしたものが見えるなどの前兆を伴うこともあります。また、吐き気をもよおしたり、音・光・においに敏感になったりします。
特徴
痛みは片側あるいは両側のこめかみを中心に起こる
日常生活に支障があり、ひどい時は寝込む
視界の半分にキラキラしたものが見えた後あるいは同時に頭痛が起こる
吐き気をもよおしたり、吐くこともある
蛍光灯などの光がまぶしかったり、音がうるさく聞こえたり、においを不快に感じる
30-40代、特に女性に多い
疲れ、集中力低下、首のコリ、あくびなどが頭痛の前あるいは後に出る
親が片頭痛
自分が子供の時あるいは自分の子供が乗り物酔いをしやすい

群発頭痛

片側の目の奥・周りに激しい痛みが15分〜3時間続きます。その発作が時には一日に複数回現れ、さらに2週〜3ヶ月も続きます。また、同時に痛みと同じ側に、目の充血や涙やむくみ,まぶたの下がり、鼻水、顔に汗、耳が塞がったような感じなどのどれかが出現します。
特徴
目の奥をえぐられるような痛み
痛みの激しさゆえじっとしていられず、歩き回る
20-40歳の男性に多い
決まった時間に起こることが多い
睡眠中に起こって目が覚めることがある
喫煙率が高い(そのためか最近は女性も増えてきている)

二次性頭痛

何かしらの原因により起こっている頭痛のことで、中には命に関わる病気が原因になっていることもあります。

脳および脳血管の病気

くも膜下出血
多くは脳の血管にできたコブ(脳動脈瘤)が破裂して起こる病気で、命に関わる、あるいは後遺症を残す可能性が高い病気です。その頭痛は「バットで殴られたような」、「これまでに経験したことのないほど激しい」などと言われますが、軽い場合もあります。キーワードは「突然」です。出血量が多いと意識障害が出現します。一方、出血量が少ない場合、最初は頭痛だけで済むこともありますが、その後に再度出血を起こす可能性が高く、その場合は命に関わるほどの重症に陥ることになります。その場合は、診察だけではわからないことがほとんどで、診断するにはCTやMRIなどの画像検査が必要になります。
動脈解離
首の血管あるいは頭の中の血管の内側が裂ける病気で、首や頭に痛みが突然出現します。こちらもキーワードは「突然」です。比較的若い人に多く、中には首のマッサージや整体などで首を過剰に伸ばし過ぎることが原因となることがありますが、原因がわからないことも多いです。日本人の場合、椎骨動脈という首から頭の後方を通っている血管に起こしやすく、首から後頭部が痛むことが多いです。痛みは強いことが多いですが、それだけでなく脳梗塞やくも膜下出血を起こしてしまう危険性があることがこの病気の怖いところです。最近は画像検査が進歩し昔よりも動脈解離が見つかりやすくなっており、その中でもMRIは特に有用です。
脳出血
首頭の血管が破裂して脳の中に出血する病気です。通常は手足が動かなかったり・しびれたり、呂律が回らないなどの症状が出るのですが、とても小さい出血、神経症状が出にくい部位の出血、脳室(髄液という水が流れる部屋)の中の出血の場合は頭痛だけしか症状を認めない時もあります。これもやはり画像検査を行わないとわかりません。
慢性硬膜下血腫
多くは頭を打った後に、脳と頭蓋骨の間に徐々に血液の混じった液体が溜まり脳を圧迫する状態です。高齢の方では片側の手足の麻痺やもの忘れなどがメインに出現し、若い方では頭痛だけを訴える事もあります。画像検査により診断は比較的簡単で、手術で治すことができます。
脳腫瘍
頭蓋骨の内側に発生する腫瘍で、脳を圧迫したり、頭蓋の中の圧力(脳圧と言います)を上昇させて頭痛を起こします。頭痛だけでなく吐き気、片側の手足の麻痺、けいれん発作を起こすことがあります。頭痛は朝方に自覚することが多いようです。画像検査で発見することができます。
髄膜炎
脳や脊髄を覆う髄膜に炎症が起こり発熱や頭痛が出現する病気です。最も多いのは病原体が髄膜に入りむ感染性髄膜炎ですが、体の自己免疫反応や薬剤が原因となることもあります。発熱や頭痛以外に首の動きが固くなって前に曲げにくい項部硬直という症状も割と多くみられます。診断するために腰から針を刺して髄液を採取する髄液検査などを行ます。
脳脊髄液減少症
髄液という脳や脊髄の周囲を流れている髄液が何らかの原因で少なくなっている病気です。頭痛は典型的には座ったり立っている時にひどくなり横になると改善します。他に、耳鳴り、難聴、めまい、顔面痛、顔面のしびれ感、思考力低下、集中力低下、うつ症状など多彩な症状を合併することがあります。ひどい時は慢性硬膜下血腫を起こします。

脳以外の病気

薬剤の使用過多による頭痛
片頭痛の方に多いのですが、痛み止めの薬を飲み過ぎることでかえって頭痛を悪くしてしまっている病態です。痛み止めの薬を飲み過ぎることで痛みに対する閾値が下がってしまい、頭痛を起こしやすくなってしまうのです。月に15日以上の頭痛があり、月に10日以上の痛み止めの薬を飲んでいる場合はこの病気の可能性があります。治療は痛み止めの中止と頭痛予防薬の使用が基本になります。これまで頼っていた痛み止めの薬を中止/減量しますので辛いと感じるかもしれませんが、私達もサポートさせていただき一緒に乗り越えていければと思います。
高血圧
血圧が急激に高くなると頭痛を起こすことがあります。血圧を下げることで改善することもありますが、中には画像検査で脳に異常所見が出現する場合もあります。その場合は脳症と言って、入院しながら血圧管理を行う方が望ましいです。血圧が普段から高い場合は塩分制限、運動を行い、それでも下がらない場合は、薬を使用しながら血圧をコントロールするお手伝いをさせていただきます。
副鼻腔炎
鼻の空気の通り道(鼻腔)とつながる副鼻腔という部屋があり、炎症を起こしてしまう病気です。おでこや目の下あたりに痛みがあり、その辺りを軽く叩いたり頭を前に傾けると痛みが強くなる場合は副鼻腔炎かもしれません。また、鼻水や鼻づまりも伴うことも多いです。急性副鼻腔炎であれば発熱も認めます。副鼻腔に膿(うみ)が溜まる慢性副鼻腔炎であればMRIなどの画像検査を行うと副鼻腔に液体が溜まっていることもわかります。感染やアレルギーなどが原因となるため、それぞれの病態に合わせた治療を行いますが、耳鼻科への紹介が必要なこともあります。
頭/顔の神経痛
正確には頭痛とは違いますが、頭や顔の表面を走る神経が障害されて起こる痛みで、帯状疱疹、三叉神経痛、後頭神経痛などがあります。普通の頭痛と違い、表面がピリピリやズキンとしたり、髪の毛を触るだけで同じような痛みが短時間続き、何度も出現します。それぞれを簡単に説明すると帯状疱疹は頭/顔に水泡を伴った赤い皮膚病変が出現します(皮膚病変がない場合もあります)。三叉神経痛は顔の片側の特にこめかみと目を結んだ線から下に、後頭神経は首の後ろから頭の後ろにかけて痛みが出現します。痛みに関してはそれぞれ神経痛に対する痛み止めを使用しますが、その原因の治療も行う必要があります。
巨細胞性動脈炎
50歳以上の方に多い病気で、こめかみのあたりを走る側頭動脈という血管に炎症が起きます。こめかみ辺りを周辺に頭皮の痛みや圧痛をしばしば伴い、帽子をかぶったり、枕を頭につけると痛みが悪くなることがあります。側頭動脈が腫れて見えることもあります。治療を開始しないと失明や脳梗塞を起こすことがあり、早期診断および治療が重要です。
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頭痛、めまい、もの忘れなどの症状のある方は、
保険を使用してMRIの撮像が可能です。