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頭痛(2):アイスクリーム頭痛

アイスクリーム頭痛と呼ばれる頭痛があります.

 

正式には,”呼ばれていた” となり,現在の正式名称は「冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛」となります.

 

非常に長ったらしい名称ですね.

 

どんな頭痛かというと,皆様が一度は経験がある,または見聞きしたことのあるもので,夏にかき氷を食べた時に頭がキーンとなるアレです.

 

あの痛みに正式な名称が付いているのだと知った時は私も驚きました.

 

ちゃんと診断基準もあり,「冷たい食物または飲み物の摂取,あるいは冷気の吸息による口蓋または咽頭後壁(あるいはその両方)への寒冷刺激の直後に誘発される,前頭部または側頭部の頭痛」と記載があります.

 

簡単に言うと,冷たいもの(固体/液体/気体)が口や喉に触れたら,頭の前か横が痛くなるってことです.

 

治療はあるのかと言うと特になく,診断基準の中にもあるのですが,冷たい刺激を取り除けば10分以内で頭痛はなくなるとのことです.

 

特に片頭痛を持っている人によく見られるそうです.

 

命に関わるものでもありませんが,これからの季節は冷たいものを食べる機会も多くなると思いますので,少し用心下さい.

2021年06月07日
頭痛(1):頭頸部動脈解離

見逃してはいけない頭痛の原因として,「頭頸部動脈解離」があります.

 

なかなか聞き慣れない言葉だと思います.

 

血管には大きく分けて,動脈(心臓から組織/臓器に向かう血管)と静脈(組織/臓器から心臓に帰る血管)がありますが,「動脈解離」は字のごとく動脈に起こる病気です.

 

血管の内側には壁の層があり,何らかの原因でその壁の層が剥がれてしまうことを「解離」と言います.

 

同様の病態で有名な病気には,大動脈(心臓から直接つながっている大きな血管)に起こる「大動脈解離」がありますが,今回のお話は頭や首の血管に起こる病気で「頭頸部動脈解離」といいます.

 

これらの「動脈解離」には痛みを伴うことが多いです.

 

頭や首の「動脈解離」では頭痛や頸部痛が出現し,その痛みは強いことが多いです.

 

痛みだけであれば痛み止めを飲むだけでいいのですが,この病気には非常に怖い側面があります.

 

最初は痛みだけのことが多いですが,そのうち脳梗塞やくも膜下出血などの重症な病気を起こすこともあるのです.

 

特徴的なことは30-40代の方にも起こすことがあり,若くして脳梗塞やくも膜下出血を起こした場合には,我々はいつもこの病気を頭に思い浮かべます.

 

また,「頭頸部動脈解離」は血管造影という侵襲的な検査を除いて,MRIでないと見つけることができません.

 

今まで頭痛をあまり経験したことがない方が突然の頭痛を起こした場合や,頭痛持ちの方でもいつもと違う頭痛を起こした場合には,「動脈解離」に限らず,何かしらの頭の病気を発症している可能性も考えられます.

 

少しでも違和感を感じましたらすぐにご相談下さい.

2021年06月01日
認知症(1):治療可能な認知症

もの忘れを主症状とする認知症という病態があります.

 

一般的にはアルツハイマー型認知症という名前が知られているかとは思いますが,他にも血管性認知症やレビー小体型認知症などがあります.

 

現時点ではこれらの認知症には根本的な治療は存在しません.

 

しかし,もの忘れが進む原因に治療可能なものが存在します.

 

以下に,いくつか記載します.

 

正常圧水頭症,慢性硬膜下血腫などの脳神経外科的疾患

神経梅毒などの感染症

甲状腺機能低下症などの内分泌疾患

ビタミンB1欠乏症などの代謝性疾患

薬剤

 

上記の疾患などが存在すれば,疾患を治療することで,もの忘れ症状が改善しうるのです.

 

特に,急にもの忘れ出現したり,進行したりする場合は該当する場合があります.

 

当院では認知症の原因を取りこぼさないように,頭部MRIや血液検査を行なっております.

 

どのような「もの忘れ」でも構いませんので,ご心配な場合はご相談ください.

2021年05月24日
パーキンソン病(1):リハビリテーション

本日はパーキンソン病についてのお話です.

 

お話とはいっても,今回はご紹介となります.

 

パーキンソン病にはお薬による治療も大事ですが,それと同じくらいお薬以外の治療も重要です.

 

パーキンソン病の方のメインの症状は動きがゆっくりになることで,動くことがオックウになります.

 

しかし,動かないと余計に体を動かしにくくなるため,体を動かすリハビリテーションが重要です.

 

ここに書くと長くなってしまうので,わかりやすく書いてあり,リハビリテーションの動画も載せてあるホームページを紹介します.

 

大日本住友製薬のホームページにパーキンソン病に対するリハビリテーションについてのページがありますので,下記のURLをコピー&ペーストしてご覧になってください.

 

https://healthcare.ds-pharma.jp/disease/parkinson/rehabilitation/

 

また,当院ではパーキンソン病についての診断・治療も行なっています.

 

ご自身やご家族の中に動きがゆっくりになってきたと思われる方がいらっしゃいましたらご相談ください.

2021年05月18日
緊張型頭痛(5):緊張型頭痛の予防

緊張型頭痛の予防には日頃からの管理の積み重ねが大事になります.

 

肩こりなどの首周りの筋肉のコリが原因となっていることも多いので,その対応が大事です.

 

簡単にお話しすると,首周りの「ストレッチ」と「温め」です.

 

気づいた時に体操をしたり,首周りを温めるグッズを用いての保温を継続いただくことで頭痛および肩こりが改善することがあります.

 

ただし,このような対応でも頭痛が改善しない場合は予防薬を試してみても良いので,お気軽にご相談ください.

2021年05月11日
緊張型頭痛(4):緊張型頭痛の急性期治療

緊張型頭痛が起こった時はどうすることがいいのでしょうか.

 

緊張型頭痛の場合,特に日常生活に何も支障が出ない軽度な頭痛が多いので様子を見ていても構わないと思いますが,中には我慢しながら生活している中等度以上の頭痛の場合もあります.

 

その場合,温湿布という種類の貼付剤を肩や首に貼るのは効果的です.

 

また,いわゆる痛み止めを使用しても構いません.

 

市販薬でも大丈夫ですが,軽い頭痛にも簡単に使用してしまうといつの間にか頭痛の回数が増えていってしまう可能性がありますので,使い過ぎには充分気をつけてください.

 

これまでに緊張型頭痛と言われていたけど,実は片頭痛だったということもありますので,頭痛でお悩みの方はお気軽にご相談ください.

2021年04月26日
緊張型頭痛(3):緊張型頭痛の背景

緊張型頭痛の背景には

 

①運動不足

②悪い姿勢(パソコン業務,手芸などの手先を使う作業)

③強いストレスや不安などの心理的要因

 

が存在していることが多いです.

 

肩こりを持っていることも多いですが,肩こりを自覚できない場合でも自分で触れる部分としては,こめかみ,首と後頭部の境目を押すと鈍い痛みがある場合が多いです.

 

ただし,この肩こりや押すと痛む部分があるからといって短絡的に緊張型頭痛と決めつけてはいけません.

 

片頭痛でも認めることがありますし,他の頭痛に緊張型頭痛が合併していることもあるからです.

 

また,以下の様な病気を持っていると緊張型頭痛を起こしやすい場合があります.

 

整形外科:頸椎症,むちうち症の既往,腰痛,膝痛

歯科口腔外科:虫歯,歯肉炎,親知らず,噛み合わせが悪い,顎関節症,歯ぎしり

眼科:遠視,近視,合っていない眼鏡

耳鼻咽喉科:副鼻腔炎,難聴

心療内科:うつ状態,不安神経症,不眠症

 

これらの病気をお持ちの方はその病気を治療することが頭痛の改善につながる可能性もありますので,専門の医療機関を受診してみてください.

 

ご自身では自分の頭痛がどの頭痛に当てはまるかわからない場合もあるとは思いますので,いつでもお気軽にご相談ください.

2021年04月19日
緊張型頭痛(2):慢性緊張型頭痛

緊張型頭痛にはその頻度によって下記のように名称が異なります.

 

1ヶ月に1回未満(年間12日未満)→稀発反復性緊張型頭痛

1ヶ月に1-14日→頻発反復性緊張型頭痛

1ヶ月に15日以上→慢性緊張型頭痛

 

慢性緊張型頭痛は「3ヶ月を超えて」という条件が付きます.

 

前回のブログでも書きましたように,緊張型頭痛はそこまで日常生活に支障がないため医療機関を受診することことはあまりないのですが,慢性緊張型頭痛は異なります.

 

慢性緊張型頭痛は100人につき約1.5人いらっしゃるという統計があり,そのうち約4割の方は日常生活に支障をきたしているとのことです.

 

そのため,慢性緊張型頭痛だけは医療機関への受診率が73%とかなり高く,お困りの方が多いことがわかります.

 

一般的には緊張型頭痛では対症療法だけでも有効な場合が多いのですが,慢性緊張型頭痛には予防療法が必要な場合が多いため,お困りの方はご相談ください.

2021年04月13日
緊張型頭痛(1):ありふれた頭痛

今回は緊張型頭痛についてお話しします.

 

緊張型頭痛とは頭痛の中でも最も頻度の高い頭痛で,生涯で経験したことがある人は30-78%と言われており,ご覧の皆様の中にも経験があるかもしれません.

 

この緊張型頭痛の診断の中に,緊張型頭痛の特徴に当てはまる頭痛が10回以上必要という項目があるため,それを満たさない「緊張型頭痛疑い」を含めるとほとんどの方が1度は当てはまりそうな頭痛です.

 

簡単に言うと,これまでに説明してきた片頭痛とは事なり,頭痛の最中に,吐き気や嘔吐を伴わない(軽い吐き気はあってもいいです),光過敏/音過敏はあってもどちらかだけある,比較的軽い頭痛です.

 

頭痛の性状としては頭が締め付けられる,頭が重いといった訴えが多いです.

 

頭痛はそこまで強くないので,なかなか医療機関を受診することはありませんが,むやみやたらに市販の頭痛薬を簡単に使用すると頭痛の回数が増えることがありますのでお気をつけください.

 

自分の頭痛が何の頭痛かわからない場合でも,受診いただければ適切な診断を行い,治療法や対処法をお教えできると思いますのでお気軽にご相談ください.

2021年04月05日
片頭痛(11):片頭痛の予防療法

結構知られていないことですが,片頭痛には予防療法が存在します.

 

当院を受診いただいた方の中にもそのことをお話しすると初耳であったことは珍しくなく,早く知っておけばよかったとのコメントをいただくことも多いです.

 

その予防療法とは基本的にはお薬の内服です.

 

保険診療で使用可能な内服薬が数種類あり,それらのうち1つをを毎日内服します.

 

予防の目標は頭痛の頻度とその強さが治療前の半分以下になることです.

 

私自身は片頭痛を持っていないので実感できませんが,目標を達成するだけで生活のしやすさが大きく変わるようです.

 

予防薬にはそれぞれ効果の早さや副作用が異なるので,患者さんと話し合いながら薬を決定します.

 

人によってそれぞれの薬に合う合わないがありますので,何種類か試してようやく合う薬に出会うこともあります.

 

また,漢方が合う方もいらっしゃいますのでご相談いただければ幸いです.

 

尚,今年,片頭痛予防薬の新薬が発売されることになっており,片頭痛で本当に苦しんでいる方の救世主になりうる可能性が示されていますので,さらに治療選択肢の幅が広がります.

 

それぞれの予防薬の特色と患者さんの希望をうまくマッチさせて治療を行い,片頭痛と上手に付き合って生活いただければと思っています.

2021年03月29日