起きている時には頭痛はないのに,寝ている時にだけ頭痛があり,その頭痛のせいで目が覚めてしまうことはありませんか?
それは睡眠時頭痛かもしれません.
ただし,頭痛患者さんの0.1-0.3%前後とかなり稀です.
頭痛はほとんど毎日見られることが多く,1ヶ月の平均頭痛回数は23回と言われています.
カフェインが治療効果を示すことが知られていて,コーヒーカップ1杯を予防的に寝る前に飲んだり,痛みで目が覚めた時に飲んでみることで効果が得られる場合もあります.
それでも改善しない場合はお薬を使用して治療を行います.
また,その原因として腫瘍などが隠れている場合がありますので,一度検査をする必要がありますのでご相談ください.
咳をしたり,息をこらえたりすると頭痛が出現したりしませんか?
その頭痛は咳嗽性頭痛かもしれません.
咳嗽性頭痛には一次性と二次性(症候性)に分けられます.
咳嗽性頭痛の約40%は症候性で,他の疾患が背景にあり,咳によって頭痛が誘発されています.
その疾患の大半はアルノルド・キアリ奇形I型で,他には脳脊髄液圧低下,動脈解離,中咽頭・喉頭蓋窩の腫瘍が鑑別に挙がりますので一度は画像検査を含めた精査を行う必要があります.
精査をして症候性が否定できれば一次性咳嗽性頭痛となります.
一次性咳嗽性頭痛は咳やいきみによって突発的に起こる頭痛で,1秒〜2時間持続します.
主に40歳以上で見られることが多く,咳が多いとそれに比例して頭痛の強さが強くなります.
通常は両側性で後頭部に痛みがあり,60-70%の方にめまい,悪心,睡眠異常といった随伴症状を認めます.
持続時間は1秒〜2時間となっておりますが,多くは頭痛出現直後にピークに達し,数秒〜数分の間で良くなります.
治療および予防のお薬がありますので,お困りの方は一度ご相談ください.