朝起きた時から頭痛がある場合は,「睡眠時無呼吸性頭痛」かもしれません.
「睡眠時無呼吸性頭痛」とはその名の通り,睡眠時無呼吸がある人に起こる頭痛です.
睡眠時無呼吸の程度は軽くても頭痛が起こる場合があります.
「睡眠時無呼吸性頭痛」の診断には1時間に5回以上の無呼吸/低呼吸があることが必須で,5回と言うのは睡眠時無呼吸症候群の中では軽度に該当します.
ですので,睡眠時無呼吸にご自身で気づいていないことも多く,一緒に寝ている方も気づいていないかもしれません.
頭痛自体は4時間以内で改善するので問題ないと思っている方もいらっしゃると思いますが,回数が多いと辛く感じるかと思います.
また,睡眠時無呼吸症候群自体は脳卒中や心臓血管病のリスクになりますので,睡眠時無呼吸の検査は一度受けてみてもいいと思います.
尚,睡眠時無呼吸症候群は片頭痛の頻度増加や慢性化の原因となることもありますので,片頭痛の頻度が増えている場合は一度チェックしてみることも重要かもしれません.
当院では睡眠時無呼吸の簡易検査を行っておりますので,気になる方はご相談ください.
前回に引き続き,薬剤の使用過多による頭痛についてお話しします.
いわゆる痛み止めを使い過ぎて起こるこの頭痛ですが,痛み止めを過剰に使うと言うことは,元々,頭痛をたびたび繰り返していると言うことになります.
原因となっている頭痛は以下の通りです(頻度順)
①片頭痛:65%
②緊張型頭痛:27%
③片頭痛と緊張型頭痛の合併もしくはその他の頭痛:8%
このように,片頭痛が最も多いです.
片頭痛は辛い症状なので,適切な治療を受けていなければ痛み止めを使い過ぎてしまうのもわかります.
緊張型頭痛は概ね片頭痛に比べれば,その強さの程度は弱いですが,それでも薬剤の使用過多による頭痛の30%程度に見られます.
やはり,簡単に市販薬が手に入ることや,医療側の「頭痛には鎮痛薬を出しておけば良い」という考え方が,この病気を引き起こしているものと思われます.
こういう患者さんが増えていかないためにも,頭痛についての啓蒙は大事だとつくづく考えさせられます.
このブログをお読みの方も,周りに頭痛で苦しんでいる方がいらっしゃれば,少しでもいいので頭痛についての正しい情報をお伝えいただけるとありがたいです.
また,日常的に痛み止めを使っていて頭痛に苦しんでいる方がいらっしゃればいつでもご相談ください.