片頭痛は一般的には20-40歳を超えると年齢が上がっていくに連れて回数が減ってきます.
しかし,中には回数が増加して月の半分以上に頭痛(片頭痛じゃなくて緊張型頭痛様の痛みでもいいです.ただし,片頭痛様の痛みは月に8回は見られます)が出現してしまい,慢性化してしまうことがあります.
慢性化の要因は下記のようなものが知られています.
①生まれつき/生まれる前の要因
a)家族歴:母親に慢性的な連日性の頭痛あり
b)出生前曝露:胎児期における母親の飲酒と喫煙
②頭痛の病状
元々の頭痛日数が多い
③共存症
a)肥満
b)いびきと睡眠時無呼吸
c)顎関節症
d)精神疾患(うつや不安)やストレスの多い生活(引越し・失業などのライフイベント)
④外的要因
a)過剰な鎮痛薬使用
b)カフェイン摂取
c)頭部外傷
①,②の改善は難しいですが,③,④についてはご自身の努力で改善できるものもあるのではないでしょうか.
特に「睡眠時無呼吸」については,自分では気が付いていないことも多いです.
当院でも簡易的に睡眠時無呼吸の検査を行う事ができますので,頭痛の回数が多い場合や他の人から「いびきしてたよ」,「寝てる時に呼吸が止まってたよ」と指摘されたことがある場合はご相談ください.
また,知らず知らずのうちにカフェインを多く摂っていることも要注意です.
コーヒーは特に量が多いですが,カフェインが入っているお茶もありますし,お仕事を頑張っている方で「もう一踏ん張り!」と飲まれているエナジードリンクにもカフェインが多く含まれていますのでお気をつけください.
最後に,痛みに対してついつい鎮痛薬を毎回使用してしまう方もいらっしゃると思いますが,過剰な使用は逆に次の頭痛を起こしやすくなりますので気をつけてください.
以前にも記載していますが,片頭痛の予防薬を使用することで頭痛の回数を減らし,頭痛の強さを弱めることができますので,頭痛が多くて辛い場合はご相談ください.