片頭痛についての内容が続きますが,お付き合いください.
片頭痛を起こす時には何らかのきっかけがあると言う人が約75%いらっしゃるそうです.
以下にその代表的な項目をお示しします.
内因性因子:月経周期
精神的因子:ストレス,精神的緊張,疲れ,睡眠(過不足)
環境因子:天候の変化,温度差,頻回の旅行,におい
食事性因子:空腹,カフェイン,アルコール,赤ワイン,チョコレート,チーズ,ソーセージ(防腐剤)
その他:歯痛,頸部痛,高血圧
思い当たる項目はありましたでしょうか?
ありましたら,なるべく避けてみてましょう.
この中では最も頻度が高いのがストレスで,次いで睡眠不足が比較的多いとのことです.
ストレスが原因になっている方については,その約60%にストレスがある時に,約25%にストレスから解放された時に片頭痛を起こすと自覚しているようです.
病院で処方されているお薬でも片頭痛を起こしやすいことが言われています.
そのお薬はSSRI(抗うつ薬),PPI(胃薬),経口避妊薬,ホルモン補充療法,鼻粘膜血管収縮薬で,内服されている場合は処方されている先生とご相談してみて下さい.
また,光によって誘発されると言われており,太陽光,自動車のライトが発作の誘因となることもあります.
特に白い色が発作の誘因となるため白色蛍光灯は電球の色(ハロゲン電球)を変えることも必要かもしれません.
最近はスマートフォンが普及しており,さらに仕事でパソコンを使用する機会が多いと思いますが,スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトも片頭痛発作を引き起こしてしまいますので,ブルーライトをカットする設定を行ってみて下さい.
いかがだったでしょうか?
自分の片頭痛が出るタイミングを記録してみて,上記に該当するものがあるか調べてみると,片頭痛と上手に付き合っていけるかもしれません.
参考にしていただければ幸いです.
自分が片頭痛なのかどうかわからない方も多いのではないでしょうか.
自分の頭痛が片頭痛の可能性があるのかどうかを調べるツールがあります.
下記,5項目を読んでみて当てはまる項目があればチェックしてください.
①脈を打つタイミングと同じ頭痛(拍動性)
②鎮痛薬を使用しないと頭痛が4-72時間の持続する
③頭痛が片側にある
④吐き気を伴う
⑤頭痛によって仕事や家事を我慢して何とかやっている,または寝込む
これらのうち4項目に当てはまれば,片頭痛の可能性が高く,2つ以下であれば可能性は低いです.
3つしか当てはまらなくても片頭痛の可能性は充分にあります.
片頭痛の可能性が考えられて,日常生活に支障がある場合は一度,頭痛専門医を受診してみてはいかがでしょうか.
意外に知られていないのですが,片頭痛専用の痛み止めがありますし,また,片頭痛の頻度を減らし,頭痛の強さを弱くする予防薬もあります.
頭痛で困っている方は思っているよりも多くいらっしゃいます.
頭痛でお困りの場合はご相談ください.
*****
余談になりますが,「へんずつう」の漢字は「偏頭痛」と「片頭痛」のどちらかが使われてることが多いです.
細かい部分にはなりますが,頭痛学会が正式に採用しているのは「片頭痛」です.
遅ればせながら,明けましておめでとうございます.
久々の投稿になり大変恐縮です.
今回は頭痛専門医らしく,頭痛のお話をしたいと思います.
頭痛で病院やクリニックを受診すると,医師から
「肩こりはありますか?」
と尋ねられることがあります.
そこで,肩こりがある,と答えると
「では,『緊張型頭痛』と思うので痛み止めを処方しておきますね」
と鎮痛薬を処方されることがあります.
しかし,鎮痛薬の使用を繰り返すけどなかなか痛みの回数が減らないし,痛みが改善しないことがあります.
『緊張型頭痛』は比較的軽い頭痛で,頻度が高い頭痛です.
頭・首・肩の筋肉のコリが原因になっていますので肩こりを持っていることが多いのですが,その他の頭痛,特に『片頭痛』でも肩こりを持っていることは多いです.
そのため,
【肩こり=緊張型頭痛】
という考えはいささか安易な考えとなります.
上記の様なエピソードで実際に『緊張型頭痛』の方であれば,鎮痛薬で改善することもあるかと思いますが,『片頭痛』であった場合,その鎮痛薬では痛みが改善しづらいばかりか,鎮痛薬の使い過ぎで余計に頭痛を起こしやすくなる可能性があります(『薬剤の使用過多による頭痛』と言います.このお話はまたどこかで).
ですので,頭痛で鎮痛薬を処方されているけれどなかなか改善が得られない場合は『片頭痛』や他の頭痛の可能性もあります.
頭痛の時に,吐き気・嘔吐,光をまぶしく感じる,音をうるさく感じる,動くと頭痛が悪くなる,などの症状を伴う場合は片頭痛の可能性が高いです.
また,片頭痛を始め,頭痛には鎮痛薬だけではなく予防薬もあります.
当院では頭痛専門医により正確に診断を行い,適切な鎮痛薬/予防薬を選択し,生活において気をつけるべき養生法をお伝えいたします.
たかが頭痛と思わずにお気軽にご相談ください.