片頭痛を持っている方が多いのはどの年代でしょうか.
少し前のデータにはなりますが,性別により多少異なります.
女性で最も多いのは30代で約20%,次に40代で約17%
男性で最も多いのは20代で約9%,次に30代で約8%
と若い世代に特に多い疾患となります.
それぞれ,上記の年代をピークとした後,年代が上がって行くに連れ徐々に片頭痛を持つ人は減っていきます.
実際,60代では男性の有病率は1%程度なのですが,女性では60代でも約9%いらっしゃいますので,女性の場合は頭痛でお越しいただいたご年齢の高めの方でも片頭痛は全然否定できないのです.
最初の片頭痛発作に関しては,大多数の方は30歳以下で起き,特に中高生に多いですので,ご年齢が高めで初めて頭痛に対して受診された方でも,思い返してみると学生の時からの片頭痛だったということもよくあります.
ただし,40歳以上で片頭痛の様な頭痛が新たに出現した場合,脳血管奇形が隠れていたりすることもあります.
そのため,MRIなどの画像検査を検討する必要がありますので,ご相談ください.
最後に,学生の片頭痛の有病率は中学生で4.8%,高校生で9.8%であり,片頭痛で悩んでいる学生さんは結構いらっしゃいます.
中には頭痛による不調で学校に行くのが辛いという方もいらっしゃいますが,実は片頭痛であり予防薬と急性期治療薬により改善することもあります.
当院では小児から学生さんの頭痛にも対応しておりますので,お困りの場合はご相談ください.
今回も頭痛の中でも,とりわけ日常生活に支障をきたしてしまう片頭痛について取り上げたいと思います.
ご自身の身の回りの方を思い浮かべてみると,頭痛をお持ちの方はだいたい女性ではないでしょうか?
実際に頭痛をお持ちの方は女性の方が多く,片頭痛も例に漏れず女性の方が多いです.
片頭痛の頻度は男性では約3%ですが,女性では約13%と約4倍もの差があります.
また,片頭痛をお持ちの女性は30代,40代に最も多いのですが,どちらの年代も頻度が約20%と5人に1人は片頭痛なのです.
想像していたより多いのではないでしょうか.
こんなに頻度の高い片頭痛ですが,前のブログでも述べました通り,医療機関への受診はなかなかされていない状況です.
育児やお仕事で忙しく,なかなか受診されないのかもしれません.
ただ,片頭痛は日常生活に支障をきたすほど辛いことも多いので,頭痛がある中での育児やお仕事は大変負担になる可能性もあります.
正しく片頭痛と診断されれば,その予防薬や発作薬の使用により,片頭痛で苦しむ時間がだいぶ短くなり,育児や仕事にも良い影響を与える可能性があります.
ですので,お忙しいとは思いますが,頭痛でお悩みの方は一度受診するお時間を作っていただけるとありがたいです.
少しでも頭痛から解放される手助けができましたら幸いです.
片頭痛の方がどれだけいらっしゃるかご存知でしょうか?
少し古いデータにはなりますが,日本では約800万人の片頭痛患者さんがいらっしゃって,毎日60万人の方が片頭痛発作に苦痛を感じ,人間らしい生活を妨げられています.
片頭痛を持っている方の4人中3人は日常生活に支障を来たしているそうです.
それにも関わらず,片頭痛の方の約70%は医療機関(病院やクリニック)を受診したことがなく,約50%の方は市販薬のみで対応しています.
頭痛が出たら市販の鎮痛薬を飲むということを繰り返すと,頭痛の頻度はますます増えて,非常に治りにくい「薬剤の使用過多による頭痛」に移行してしまい,治療に難渋することになります.
ですので,頭痛で日常生活に支障が出ている方は,頭痛が治りにくくなる前に早目に医療機関(できれば頭痛専門医が在籍している事が望ましい)を受診し,適切な対応を教わることが大事です.
ちなみに,片頭痛の方で定期的に医療機関を受診している方は約3%,時々通院している方は約12%と,とても低く,当院では受診した患者さんに治療を継続いただくよう,養生も含めたアドバイスもさせていただいております.
また,頭痛による経済的損失は直接的な医療費と仕事ができないことなどによる間接的な損失を含めると年間3000億円にのぼると言われています.
頭痛の治療により経済にも貢献できる可能性もあり,頭痛を正しく診断し,適切に治療を行う努力を続けたいと思います.
片頭痛のイメージとして多いのが
「頭痛が片側にしかないので片頭痛」
と言うものです.
確かに片側に多いことは事実ですし,診断基準項目の1つに「片側性」という項目が入っていますが,必ず片側でないといけないというわけではないのです.
頭全体が痛くなるという方も多くいらっしゃいます.
それよりも,片頭痛の本質としては
①頭痛のために動きたくない,生活に支障が出るといった障害
②吐き気・嘔吐・食欲低下あるいは過敏症状(光・音・におい)
にありますので,片側の痛みと言うことに囚われず,頭痛によって①や②に当てはまるのであれば片頭痛を疑ってみてはいかがでしょうか.
片頭痛に関わらず,頭痛でお困りのことがあればご相談下さい.