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緊張型頭痛(4):緊張型頭痛の急性期治療

緊張型頭痛が起こった時はどうすることがいいのでしょうか.

 

緊張型頭痛の場合,特に日常生活に何も支障が出ない軽度な頭痛が多いので様子を見ていても構わないと思いますが,中には我慢しながら生活している中等度以上の頭痛の場合もあります.

 

その場合,温湿布という種類の貼付剤を肩や首に貼るのは効果的です.

 

また,いわゆる痛み止めを使用しても構いません.

 

市販薬でも大丈夫ですが,軽い頭痛にも簡単に使用してしまうといつの間にか頭痛の回数が増えていってしまう可能性がありますので,使い過ぎには充分気をつけてください.

 

これまでに緊張型頭痛と言われていたけど,実は片頭痛だったということもありますので,頭痛でお悩みの方はお気軽にご相談ください.

2021年04月26日
緊張型頭痛(3):緊張型頭痛の背景

緊張型頭痛の背景には

 

①運動不足

②悪い姿勢(パソコン業務,手芸などの手先を使う作業)

③強いストレスや不安などの心理的要因

 

が存在していることが多いです.

 

肩こりを持っていることも多いですが,肩こりを自覚できない場合でも自分で触れる部分としては,こめかみ,首と後頭部の境目を押すと鈍い痛みがある場合が多いです.

 

ただし,この肩こりや押すと痛む部分があるからといって短絡的に緊張型頭痛と決めつけてはいけません.

 

片頭痛でも認めることがありますし,他の頭痛に緊張型頭痛が合併していることもあるからです.

 

また,以下の様な病気を持っていると緊張型頭痛を起こしやすい場合があります.

 

整形外科:頸椎症,むちうち症の既往,腰痛,膝痛

歯科口腔外科:虫歯,歯肉炎,親知らず,噛み合わせが悪い,顎関節症,歯ぎしり

眼科:遠視,近視,合っていない眼鏡

耳鼻咽喉科:副鼻腔炎,難聴

心療内科:うつ状態,不安神経症,不眠症

 

これらの病気をお持ちの方はその病気を治療することが頭痛の改善につながる可能性もありますので,専門の医療機関を受診してみてください.

 

ご自身では自分の頭痛がどの頭痛に当てはまるかわからない場合もあるとは思いますので,いつでもお気軽にご相談ください.

2021年04月19日
緊張型頭痛(2):慢性緊張型頭痛

緊張型頭痛にはその頻度によって下記のように名称が異なります.

 

1ヶ月に1回未満(年間12日未満)→稀発反復性緊張型頭痛

1ヶ月に1-14日→頻発反復性緊張型頭痛

1ヶ月に15日以上→慢性緊張型頭痛

 

慢性緊張型頭痛は「3ヶ月を超えて」という条件が付きます.

 

前回のブログでも書きましたように,緊張型頭痛はそこまで日常生活に支障がないため医療機関を受診することことはあまりないのですが,慢性緊張型頭痛は異なります.

 

慢性緊張型頭痛は100人につき約1.5人いらっしゃるという統計があり,そのうち約4割の方は日常生活に支障をきたしているとのことです.

 

そのため,慢性緊張型頭痛だけは医療機関への受診率が73%とかなり高く,お困りの方が多いことがわかります.

 

一般的には緊張型頭痛では対症療法だけでも有効な場合が多いのですが,慢性緊張型頭痛には予防療法が必要な場合が多いため,お困りの方はご相談ください.

2021年04月13日
緊張型頭痛(1):ありふれた頭痛

今回は緊張型頭痛についてお話しします.

 

緊張型頭痛とは頭痛の中でも最も頻度の高い頭痛で,生涯で経験したことがある人は30-78%と言われており,ご覧の皆様の中にも経験があるかもしれません.

 

この緊張型頭痛の診断の中に,緊張型頭痛の特徴に当てはまる頭痛が10回以上必要という項目があるため,それを満たさない「緊張型頭痛疑い」を含めるとほとんどの方が1度は当てはまりそうな頭痛です.

 

簡単に言うと,これまでに説明してきた片頭痛とは事なり,頭痛の最中に,吐き気や嘔吐を伴わない(軽い吐き気はあってもいいです),光過敏/音過敏はあってもどちらかだけある,比較的軽い頭痛です.

 

頭痛の性状としては頭が締め付けられる,頭が重いといった訴えが多いです.

 

頭痛はそこまで強くないので,なかなか医療機関を受診することはありませんが,むやみやたらに市販の頭痛薬を簡単に使用すると頭痛の回数が増えることがありますのでお気をつけください.

 

自分の頭痛が何の頭痛かわからない場合でも,受診いただければ適切な診断を行い,治療法や対処法をお教えできると思いますのでお気軽にご相談ください.

2021年04月05日